まさか、そんな思いにさせられるとは。
アート大好きライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
ラットホール・ギャラリーにてレイチェル・ハリソン「House of the Dolphins」を開催中(〜2018/9/2)。
独特の世界観が広がっています。
レイチェル・ハリソン「House of the Dolphins」
表参道駅A5出口より徒歩5分。
シンプルな階段を下へ降りるとそこにあるのが、RAT HOLE GALLERY。
ガラス張りのギャラリー内に見える、カラフルな木材の異様な雰囲気が、好奇心をそそります。
ハリソンは近年、捻れた木材を探し求め、材木置き場に足繁く通い続けています。(中略)
木材はコントロールすることが難しく、たとえば倉庫の棚に長期間寝かされていたり、極端に力を加えられたりした場合、捻れたり曲がったりするなど、規格や規準から外れてしまうことが避けられません。彼女はそうした、建物の構造物としては用をなさない捻れた木材を自身の立体作品の礎とし、それらをセメントでコーティングし多様な彩りをまとわせたうえで、直立させ作品をつくりあげています。
無造作に(しかし考えられているように)、間をあけて置かれた作品。
まるで自分のようだと思ってしまった。
「コントロールすることが難しい木材」は私だ。
「規格や規準から外れて」、捨てられかけていた。
しかしそんな私に価値を感じ、高めてくれるレイチェル・ハリソンのような人が中にはいるのだ。
そういう人のおかげで私は、輝きを放つことができる。
奥には写真が並んでいるのが見えます。
記憶の破壊
彼女がアテネ、デルフィ、デロス島などの博物館でギリシャ彫刻を撮影した写真作品が展示されます。(中略)
いくつかの彫刻は一部が削り取られているなど、意図的な力あるいは無常の時間が複合的に働いていることが明らかにされています。
なかでも顔部分が崩されているローマ女帝の彫刻は、特に目を引きます。この彫刻は現在、アテネ国立考古学博物館に所蔵されており、ある人物の存在した痕跡を歴史から完全に抹消する行為である「ダムナティオ・メモリアエ(記憶の破壊)」の実例として一般に知られています。
自分がいなかったことにされたとしたら。
今この世からだけでなく、痕跡をも消されるとしたら。
いや、待てよ?
私が世の中から消えたってたいしたことないのではないか?
私がこの世にいなかったら起き得なかった何か。
それを世の中へ提供し続けなければ、私がこの世にいる意味がないのではないか?
まとめ
片隅に置かれていたコレ。
…ん?
ハンバーグが食べたくなった、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
場所:ラットホール・ギャラリー
住所:東京都港区南青山5-5-3 B1F
会期:2018年06月01日 ~ 2018年09月02日
開演時間:12:00から20:00まで
休館日:月曜
入場料:無料