出張したら美術館へ立ち寄りたい、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
大阪で久々にどっぷりと、アートに浸かってきました。
国立国際美術館で2018年5月6日(日)まで開催中の『トラベラー まだ見ぬ地を踏むために』です。
目次
40週年を迎えた国立国際美術館
大阪へやってきました。
大阪駅や新大阪駅から国立国際美術館へ行くのは、JR大阪環状線「福島駅」から徒歩が行きやすい?(約10分)
よく分からなくて、いつもついついタクシーを使ってしまいます。
国立国際美術館から一番近い駅は、京阪電車中之島線「渡辺橋駅」(2番出口)のようです(徒歩約5分)。
建物自体が美しいと、ワクワクしますね。
40週年を迎えた国立国際美術館は今回、特別な展示をしています。
『トラベラー まだ見ぬ地を踏むために』の注意事項
先に注意事項をいくつか。
- 30分に5人しか中に入れないロバート・ラウシェンバーグ《至点》の整理券は10:00配布開始。土日祝は早めに行ったほうが良いかも
- 作品リストをもらって入るべし(館内には解説がありません)
- 音声ガイドがあるとより面白い(私は必須と思います)
- 真面目に(?)じっくり楽しむなら、4時間以上かかる
- 一度サラッと全体を回ってから、気になるものを順に見ていくのも手かも
本展は、国立国際美術館の地下2階、3階の展示室のみならず地下1階エレベーター前の廊下など、その全館を展示スペースとして用いる大規模なものとなっています。
では、作品を観ていきましょう。
ロバート・ラウシェンバーグ《至点》
一番の目当ては、これ。
その美しさと存在感に、圧倒されます。
写真を撮りまくりました。
自動ドアが5つ並んでいます。
自動ドアを開け、中を歩くことができます(整理券が必要)。
5つのドアの柄が重なって見えていたものが、ドアが開くたび、進むたび、見え方が変わるのがユニーク。
整理券がなくても、鑑賞は可能です。
カリン・ザンダー《見せる:国立国際美術館のコレクションを巡るオーディオ・ツアー》(2018)
非常に挑戦的な作品です。
何も作品が飾られていない白い壁を、皆がじっと眺めています。
いったい何!?と思ったら。
壁に1〜143の番号が書かれています。
ヘッドフォンを借りて番号を入力すると、音声作品を聞くことができるのです。
143個も。
国立国際美術館に所蔵されている作品のアーティストによる音声です。
持論を語っているもの、音楽、生活音、駅からこの美術館までの音、なんてのもあります。
全てを最初から最後まで聴くには、かなりの時間と根気が必要です。
私は143の作品すべてを、少しずつ(あるいは全部)、聴いていきました。
作品がそこにないアート。
「音声」だけでもこんなに色んな表現があるのだということが分かるとともに、これらにインスピレーションを受けて色々とアイデアがわいてきます。
アローラ&カルサディーラ《Lifespan》
国立国際美術館は、パフォーマンス作品にも力を入れています。
アローラ&カルサディーラ《Lifespan》では、3人のヴォーカリストが、天井から糸で吊るされた石をひたすら吹きまくります。
順番に、同時に、動きながら、15分も。
揺れる石と、3人。
そこに異様なコミュニケーションが生まれます。
私が観た日は、たまたま居たお婆さんがやたらパフォーマーの近くをウロウロ移動しながら見るので、それも作品の一部になっていました…。
パフォーマンスは、平日は14:00から。
土日祝日及び振替休日(4月30日)は11:00、15:00から。
いずれも約15分間です。
テリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラー《フローラ》
彫刻家ジャコメッティの彼女フローラと、その息子を主役にした映像インスタレーション。
30分と長いのですが、どのドキュメンタリー動画に心奪われました。
最後に彼女をモデルにした彫刻を見た、息子の一言に…、涙。
大竹伸朗《時憶14》、《時憶/フィードバック》
大竹伸朗《時憶14》。
封筒など使い古されたものから、こんなに美しい作品ができるなんて。
大竹伸朗《時憶/フィードバック》。
こちらは下の丸い部分が回転しています。
この作品もよく見ると、
封筒や切手などで作られています。
高松次郎《影》 / ピピロッティ・リスト《Basement to Mildness》
高松次郎が壁面を飾った絵画《影》。
それにピピロッティ・リストが色彩豊かな映像をかぶせることで、新たな世界を創出しています。
自分じゃない影が映っているので、どうなっているんだ!?と思ってしまいました。
これも撮影可能な作品です。
まとめ
一部の作品のみ、撮影可能です。
とにかくすごいボリュームなので、じっくり楽しもうと思ったら4時間は見ておいたほうが良さそう。
好奇心の薄い人なら30分で終わるかもですが。
ボクシングペイントの篠原有司男さん(ギュウちゃん)の作品もあるので、刈谷市美術館のレポを見てから行くと「あっ」となるかもです。
でも一番ショックだったのは…、
コンクリートの柱から生えてる、須田悦弘《チューリップ》。
常設にも関わらず、この日まで気づきませんでした。
何度もこの美術館へ行ったことがあるのに。
ヤラレター。
場所:国立国際美術館
会期:2018年1月21日(日)─ 5月6日(日)
開演時間:10:00 ─ 17:00 ※金曜・土曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし4月30日(月)は開館)
入場料:一般1,200円、大学生800円
そういう前提でいるだけでも、見えるものが増えそうです。