「装飾は流転する – 『今』と向きあう7つの方法 – 」@東京都庭園美術館(2017.11.18~2018.2.25)





飾ること、好きですか?

アート大好き、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。

東京都庭園美術館で開催されている『装飾は流転する – 「今」と向きあう7つの方法 – 』は、「装飾」をテーマとした展示です(2017.11.18~2018.2.25)。

個人的に「大当たり!」でした。

装飾は流転する – 「今」と向きあう7つの方法 –

http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/171118-180225_decoration.html

私は、飾ることが大好き。

「上っ面だけ飾ってもダメ」
「中身が大事」

そんな話も聞かれますが、「飾る」行為には様々な想いや意図が込められています。
私にとって「飾る」ことは、楽しみであり、工夫であり、コミュニケーションです。

装飾は流転する」のサイトにはこうあります。

装飾は人類と共に常に存在してきました。弔いの儀式や呪術的なタトゥーなどに始まり、ときに形骸化しながらも、時代とともにまた新しい意味を伴い変化を繰り返し生き残ってきました。それはまさに生々流転と言えるでしょう。

この展覧会には7組のアーティストたちが登場します。彼らは年齢も国籍もジャンルも多様です。(中略)
彼らの試みを見る時、私たちは装飾という行為が、生々しい現実を複雑なまま認識するために必要な切り札だということに気がつくのです。Decoration never dies, anyway.

東京都庭園美術館|装飾は流転する

「装飾」って歴史があり、どんな世界にもあり、そして奥深いものなんですね。

東京都庭園美術館の建物自体がアート

現在は美術館として使われているこの建物。
実は、旧朝香宮邸なのです。

朝香宮家は、1906年(明治39)に創立した宮家。
戦前にパリに遊学された朝香宮夫妻は、アール・デコとよばれる装飾様式に魅せられます。
そこで1933年に建造された朝香宮邸は、壁飾りから家具、照明器具にいたるまでアール・デコで統一されます。

1983年に美術館として一般公開、そして2014年リニューアル。
現在は貴重な歴史的建造物として、国の重要文化財に指定されています。

山縣良和《Big Wreath Coat》

入り口には、タイトルとともにこんな展示が。

品のあるお出迎え。
と思ったら、これは2016年にオバマ大統領が広島を訪れた際に原爆死没者慰霊碑に献花した花輪を、そのままコートの形にしたものなのだとか。

相反するものの共在

建物の中へ入ると、意外なものが出迎えてくれました。
RIMOWA社のスーツケースです。

ヴィム・ディルヴォワ《リモワ・クラシックフライト・マルチウィール》

スーツケースは飛行機に積んだりして傷だらけになる前提があります。
そこへ、うっとりするような繊細で美しい装飾がされているのだから、とてもユニーク。

本来のもの(↓)との違いにビックリ!

 

ヴィム・ディルヴォワ《無題(タイヤ)》

こちらはタイヤですよ、タイヤ!

装飾するのは無意味、と思えるものを飾る。
そこに、アーティストであるヴィム・ディルヴォワの挑戦や遊び心、好奇心を感じます。

ファッションは流転する

ファッションの流行は、繰り返されるとよく聞きます。
それは、もうファッションに「新しいもの」は生まれない、ということなのでしょうか。

ファッションブランドwrittenafterwardsのデザイナー山縣良和さんは、既存のルールにとらわれない奇想天外なアプローチをしています。
しかしただ奇抜なのではなく、そこにはメッセージがあるのだそうです。
入り口で出迎えてくれたあの花輪のコートも、山縣さんの作品でした。

 

山縣良和《graduate fashion show -0points-》

そしてこちらは、モノトーンの風景に真っ赤なドレス。
ものすごいインパクトですね。

 

山縣良和《地球ルック》「Save the Earth」

こちらは、地球を着てランウェイを歩くもの。
2015年のシャルリ・エブド事件に対して応答した作品なのだとか。

 

山縣良和《インバネスコート「AfterWars」》

そしてこれは、パルコのクリスマスキャンペーンで使われたもの。
山縣さんのどの作品からも、ファッションを通してピース(平和)のメッセージを感じます。

歴史的建造物の装飾との触れ合い

ニンケ・コスター《時のエレメント》

ニンケ・コスターは、歴史的建造物の装飾を型取りし、意外な素材で家具や作品を制作しています。
この作品は、アムステルダムのキャナルハウスやデン・ハーグの銀行などの装飾を型取り、スツールにしたもの。

 


つまり、座ることができるんです(作品に座った私を見て、周りの方がギョッとしていましたが、座って良いことを確認済み)。

通常は壁や柱などの硬いものにある建築装飾。
ところがこのスツールの素材はその見た目を裏切る、柔らかいシリコーンゴム。
その感触に驚きがあります。

何の変哲もないものに新たな価値を与える

高田安規子・政子《In the Wardrobe》

こちらは、オシャレな服をディスプレイしたクローゼット。
…と思いきや。


よく見ると、木の柄の服からは木が生えています!


雪の柄のワンピースからは、雪の結晶がこぼれおちています。


隣に置いてあった木の柄のバッグからも、そのまま立体的な植物が。

クローゼット、あるいはファッションアイテムは、四季を感じさせてくれるもの。
この作品はそれをより強調し、意外な形で見せてくれています。

Café TEIEN(カフェ・テイエン)もオススメ

アート鑑賞のあとは、カフェでゆったりするのがオススメ。
東京都庭園美術館の新館1階にあるCafé TEIEN(カフェ・テイエン)がとても素敵です。


店内には壁際の席と、ガラスの窓際の席があります。


さらに人気のテラス席もあるのですが、寒いので1人もいませんでした。


そういえば、ラテアートも装飾ですね。
飲み物の表面を飾るなんて、よく考えたらとても面白い発想。


安納芋のパンケーキ(1,200 円)。
大人のパンケーキって感じですね。

まとめ

とても興奮した展示だったので、いつもより長いレポートになりました。
それでも、まだまだここに紹介していない作品がたくさんあります。

あなたにとって、装飾とは何でしょう?

展示名:装飾は流転する
場所:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
会期:2017.11.18~2018.2.25
開演時間:10:00–18:00 (入館は17:30まで)
休館日:第2・第4水曜日(1/24、2/14)
入場料:一般 1,100円、大学生(専修・各種専門学校含む) 880円、中学生・高校生・65歳以上 550円

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今日のひとこと

ホラノコウスケ
イベント続き。楽しみます!
コウスケ(@kosstyle)でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

講師、フリーライター。愛知県在住。 トニー・ブザン公認マインドマップ®・インストラクター、Points of You®認定トレーナーとして、「頭の使い方」を楽しく体験できるワークショップを開催。名古屋を中心に、全国で大好評。 またフリーライターとして、タウンワークマガジンなどのサイトに執筆。 詳細プロフィールはこちら