近所でとんでもない展示がされており、大興奮!
アート大好き、ホラノコウスケ(@kosstyle)です。
あふれるようなエネルギーと躍動感。
篠原有司男展『ギュウちゃん、“前衛の道” 爆走60年』を刈谷市美術館で楽しんできました。
詳細な内容や、所要時間など紹介します。
目次
篠原有司男(しのはらうしお)とは
岡本太郎が「ひたむきなベラボウさ」と激賞した伝説的アーティスト、篠原有司男(しのはらうしお)。
「ギュウちゃん」の愛称で親しまれる彼は、パンクという言葉が生まれるよりもはるか昔1950年代にモヒカン刈りで一躍メディアの寵児に。今もモヒカンがトレードマークです。
- ボクシング・ペインティング
- オートバイ彫刻
など前衛的な作品を生み出しています。
ポカリスエットのCMでも話題となったそう。
篠原有司男展『ギュウちゃん、“前衛の道” 爆走60年』@刈谷市美術館
さて、こちらは刈谷市美術館。
目立つけど説明的で文字だらけの入り口は、何だか残念。
ワクワクしない…。
しかし中へ入ると、さっそくこの作品がお出迎え。
エイリアンのボクサーみたい。
そしてこちらも看板的な作品、オートバイシリーズ。
こんなふうに、モザイク風の表現がされています。
この2作品のみ、写真撮影が可能です。
1章から5章まで、ギュウちゃんの60年を爆走する内容は、かなりのボリュームがある展示です。
その最後は、この刈谷市美術館で製作されたボクシング・ペインティングの作品と、そのときの様子のビデオが流れています。
「あ、今パンチしたとこ、あそこだ!」
そんなふうに映像と作品を合わせて楽しめます。
当日の様子をYoutubeにアップしている方がいました。感謝。
「あふれ出るものをすぐに出さないと」
ギュウちゃんは、あるインタビューでこう言っています。
勢いでやらないと駄目。だから最初に考えたことが、描きながらどんどん変わってしまう。それでいい。あふれ出るものをすぐに出さないと。
まさに言葉通りの作品ばかり。
とにかく描きまくっているような。
製作の様子がビデオで流れていましたが、せっかく描いたところへ紙を貼り、上からまた描き足している様子がありました。
芸大時代、先生から「卒業させるから何か作品をもってこい」と言われ、提出したのはマンボの音楽に合わせて描き殴った絵。
すると先生にこう言われたそうです。
君の絵にウソはない。でも学校はやめなさい
ドローイングの作品では特に、ほとばしる線とあふれ出す色彩に驚かされます。
先のボクシング・ペインティングもまさに、考えるよりもあふれ出すものを出す、というのを体現しているかのようです。
「これなら僕にもできる」
観ていて分かるのは、様々な人・物から素直に影響を受けていること。
ギュウちゃんの作品には、他のアーティストの作品を真似した(イミテーション?オマージュ?)したものが多数あります。
スパイダーマンやポケモンまで登場します。
こちらは『ガウディパークのポケモン』(2001年)という作品。
ポケモンがいるの、わかります?
一方こちらはロバート・ラウシェンバーグの『コカ・コーラ・プラン』という作品。
これを雑誌で見たギュウちゃん、「これなら僕にもできる」と自分で作ってしまいます。
大物美術家、ロバート・ラウシェンバーグの「Coca-Cola Plan(コカ・コーラ・プラン)」という作品を雑誌で見て、衝撃を受けた。使っているのはコカ・コーラの瓶。これなら僕にもできる、と勇気づけられた。オリジナルな作品を生み出すほど苦しいことはない。そのころ、僕はオリジナルが見つけられなかった。そしてひらめいたのが、イミテーション(模倣品)。コーラの瓶に2枚の翼を取り付け、蛍光塗料で塗りたくった。タイトルも彼と同じ。来日したラウシェンバーグが僕の家にやってきたとき、それを見せたら「私の息子」と笑ってくれたんだ。
これだけの個性を放っているギュウちゃんが、こうして多くのものから影響を受けているのがとても興味深いですね。
キャッチしたネタ、心動かされたものをどんどん作品化していくのです。
しかしそこにはいつも「ギュウちゃん流」の色彩感覚や遊び心があります。
アイデアはゼロから生まれるのではなく、他の何か×自分という組み合わせで生まれる。
これが彼の作品を観ているとよく分かります。
「逆に逆に」
流れていた映像の中で、彼がこう言っていたのが印象的です。
逆に、逆に
この姿勢が、作品を生み出しているんですね。
『怪獣・イン・パリ』は、ギュウちゃんのフィルターを通したパリの街並み。
パリと言えばオシャレなものをイメージしますが、ギュウちゃんの作品はポップでグロテスク。
部屋の壁三面を使った全長20mの巨大な作品を左から順に眺めながら歩くと、一緒に散歩するギュウちゃんが
これはね、○○なんだよ
と、パリを1つ1つ説明してくれているようです。
ギュウちゃん風のモヒカンまんじゅうが楽しめる
美術館のお隣、佐喜知庵では、お茶を楽しむことができます。
なんとモヒカンまんじゅうがあるんです。
こんな素敵な場所です。
中もこんな素敵な雰囲気。
しかし気軽に入ったことで、急に緊張が高まりました。
お茶の作法など知らないからです…。
正直に「どこに座れば良いですか?」と確認し、あとはお礼を言うくらいで、何とかやりすごしました…。
実はこちらの掛け軸もギュウちゃんの作品。
刈谷市美術館でボクシング・ペインティングをしたときのものです。
正座して、モヒカンまんじゅうをいただきます。
生意気そうだけど、憎めない感じ?
和とモヒカン。
抹茶越しの、モヒカン。
斬りつけられるモヒカン。
モヒカンの中身。
所要時間や混雑状況
美術館へ行くときいつも気になるのは、所要時間と混み具合。
今回の私の場合、9/29(金)の平日に
- 14:20〜14:40:佐喜知庵
- 14:40〜16:08:刈谷市美術館
と、滞在時間は合計108分くらい。
ほとんどお客さんはおらず貸切状態でした。
刈谷市美術館で作品を楽しんでから佐喜知庵でゆっくりお茶を楽しみたかったのですが、佐喜知庵の営業は15:30まで。
閉まる前にと先に行きました。
まとめ
何者にも囚われない破天荒さと痛快さ。
最近おまえ、落ち着きすぎじゃねぇの?
ギュウちゃんからそんなメッセージをもらった気がします。
展示は2017/11/5(日)まで。
ドキュメンタリー映画も近くの刈谷日劇で上映されているので、ぜひ観たいと思います。
コウスケ(@kosstyle)でした。