アート大好きライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
東京・馬喰町のアートギャラリーTARO NASUにてライアン・ガンダー”Moonlighting”を開催中(〜2018/6/16)。
昨年、大阪での展覧会でたくさんのユーモアを見せてくれた彼が、新作では何とピカソをパクっています。
ライアン・ガンダー”Moonlighting”
入り口から階段をくだると、そこにギャラリーがあります。
「僕は長年ピカソのファンだったけれど、それは彼の作品に対してというよりむしろ、メディアが伝える彼自身、彼の自己認識のあり方に対してだった」
ライアン・ガンダーの興味は、作品よりも、ピカソという人間に対してだったのですね。
壁にはこのようなデッサンが壁紙となって並んでいます。
ひと目みて「あ、ピカソ」と分かるのは、ピカソの強いオリジナリティの証。
ガンダーは、ピカソ作品の有名なイメージを模倣することで、何を得たかったのでしょうか。
「この作品はピカソに対する批判や否定なんかじゃない。僕がやろうとしているのは、ピカソ本人によって不朽のものとなった現象、つまりピカソのペルソナが彼自身の作品を超えてしまうというその仕組みそのものを理解しようとすることなんだ。その過程で、もし僕が少しでも理解できるようになったとしたら、それは僕にとっては成功したってことだと思う。そしてピカソの作品はこれまで通り世界中に愛され続ける。」
なぜピカソという人間の存在は、ピカソ作品を超えたのか。
それを知った先にガンダーは、自分自身を知りたかったのかもしれません。
まとめ
インターネットやSNSが普及し、個が立つこの時代。
数十年前より圧倒的に他者に自分を知られるチャンス(リスク)が多いなか、そもそも自分は自分を見ているでしょうか。
人は比較によって物事を認識します。
自分を見るには、他人を見る、これも一つの手です。
人との違いを楽しむのが好きな、コウスケ(@kosstyle)でした。
場所:TARO NASU GALLERY
住所:東京都千代田区東神田1-2-11(JR総武線馬喰町駅より徒歩2分)
会期:2018. 5.19 – 6.16
開演時間:10:00から18:00
休館日:月曜・日曜・祝祭日
入場料:無料