何色が好き?
1年で326展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーにて、カミーユ・アンロ『蛇を踏む』が開催されています(〜2019/12/15)。
このタイトルでピンと来た方は、ぜひ会場へ。
よく分からない方は、ひとまず記事を下へ読み進めてみてください。
目次
カミーユ・アンロ『蛇を踏む』とは?
1978年フランス生まれのカミーユ・アンロは、映像、彫刻、ドローイング、インスタレーションなどさまざまなメディアを駆使して「知」と「創造」の新しい地平を探求する作家です。作品は旺盛な好奇心に突き動かされた直観とリサーチにもとづき、理性と感覚の間を行き来する自由さにあふれています。アンロの関心は、文学、哲学、人類学、デジタル化された現代の情報化社会をはじめ、世界のあらゆるものに開かれています。しかしそれらを情報としてただ受け取るだけではなく、自分なりに咀嚼し、理解することによって広義の教養(すべてのものから学び、内在化したうえで活かすもの)として、天地万有的(ユニバーサル)ともいえる秩序と混沌の両義性をもった作品へとおおらかに昇華させるのが、アンロの最大の魅力です。
作家にとって日本初の大規模個展ということもあり、話題です。
難しそう?
いや、大丈夫。あなたなりに、好きに楽しんだら良いのです。
《青い狐》
壁も、床も、青い部屋。
世界の秩序と多義性を空間全体を使って分析・構成した重層的なインスタレーション。四面の壁には、自然、矛盾、理(ことわり)、連続性などに関わるドイツの哲学者ライプニッツの四つの原理がそれぞれ割り当てられ、宇宙の生成や人間の成長のステージ、人類の文明の段階、四元素といった項目も加わって考察されています。
正直、難しくて作家の意図やこの解説はよく分かりません。
それなのに圧倒されてしまう。
自分なりに、この空間にいる自分を味わい、解釈する。そんな時間でした。
《革命家でありながら、花を愛することは可能か?》
日本のいけばなに触発されたというカミーユ・アンロ。
2011年から継続的に制作されているシリー ズ「革命家でありながら、花を愛することは可能か?」では、草月流の全面的な協力を得た作品を展示しています。
単なるいけばなではありません。
それぞれの作品のタイトルを見ると分かります。
たとえば上の作品は《源氏物語》。
そう、作品はそれぞれ一冊の本に由来していて、題名や著者、本の一節が作品とともに展示されているのです。
あなたの読んだことのある本もあるのではないでしょうか。
本のどの部分が、どう生花で表現されているのでしょう。
まるで、生花で表現された図書館です。
さて、本展タイトルの『蛇を踏む』は、どのように表現されているのでしょうか?
ぜひ会場で楽しんでください。
〈アイデンティティ・クライシス〉
ドローイングもユニーク。
このどちらも、平面と立体の両面の特性を持っているといいます。
服は平らですが、体を包むと奥行きが生まれます。
右の格子柄は生地の柄を思わせます。これは平面的のようであり、しかし色の重なり(奥行き)も感じさせます。
あまりにも当たり前すぎて、こんなことを考えたことすらありません。
こうした、ハッとさせられる作品、視野を広げてくれる作品が好みです。
それは読書などとは違う形で、私の脳の地図を広げてくれるから。
【まとめ】場所、会期、休館日、時間など
他にも動画作品などあり、とてもユニークです。
それにしても、自分の考えなんて本当にちっぽけなものだと思えます。
まったく違う考え方をする人が世界中にいるのです。
もっともっと、たくさんの視点に触れたい、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
場所:東京オペラシティ アートギャラリー
アクセス:初台駅から直結
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2東京オペラシティタワー3F
会期:2019年10月16日[水]─ 12月15日[日]
開演時間:11:00 ─ 19:00 (金・土は11:00 ─ 20:00/最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料:一般 1,200円、大学・高校生 800円、中学生以下無料
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コウスケの日常
昨日は、若者が夢を語る様子にワクワクした。
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