宮永愛子展『漕法』(高松市美術館):瀬戸内国際芸術祭2019で島巡りだけでなく絶対行くべき展覧会

宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭




透明なものに、惹かれる。

1年で326展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。

先日行った、高松市美術館。
瀬戸内国際芸術祭2019、宮永愛子展『漕法』 (〜2019/9/1)が目的だ。

昨年326展のアートを巡った中でも特に印象深かったあの作品に、また出会えた。

宮永愛子展『漕法』

宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

昨年東京で出会い、一年ぶり。
ずっと忘れられなかった作品《life》に、また会うことができた。

シンプルで美しい世界。宮永愛子「life」展@ミヅマアートギャラリー(東京・市ヶ谷、〜2018/7/21)

2018.07.18
宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

東京で見たときは、背景が白かった。
今回は黒。かなり印象が違う。
そしてやっぱり、見とれてしまう。

スーツケースと鍵、そして旅

宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

《suitcase -key- 》も美しい。
鍵やスーツケースのモチーフは、東京で開催中の大人気「塩田千春展」にもあるが、宮永愛子さんのそれはかなり異なる表現だ。

私には、スーツケースの中を鍵が自由に泳いでいるように見える。
でも、鍵は気づいていない。
それが海ではなく、スーツケースの中だということを。

私もそうだった。
世界はこれが全て。全部見えている。そう思っていた。諦めのようなものだったかもしれない。

でも、溺れた。

宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

私はいつも運がいい。
溺れて意識が遠のく中、スーツケースを開ける鍵は私自身だと気づいたから。
逃げるようにスーツケースを開け、広い世界に飛び出した。

開けるかどうかも、行き先も、自分で決められたのだ。
代わりに、もう、誰も私を運んではくれないが。

それでも、鍵を磨くのを助けてくれたり、鍵を必要としてくれる人がいる。
本当に運がいい。

私はスーツケースの外の、広い海を自由に漕ぐ。押し寄せる波を受け入れながら。
そのほうが、自分の能力を発揮できるみたいだ。

宮永愛子展『漕法』の場所、開催日時など詳細

宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

ここで紹介した以外にも、時計をモチーフとした作品やチェアーが閉じ込められた作品、叩くと美しい音色を響かせることで知られる讃岐名石「サヌカイト」を用いた作品など、どれも物語を感じる作品だ。

展示名:宮永愛子「漕法」
場所:高松市美術館
住所:香川県高松市紺屋町10-4
会期:2019年7月17日(水曜日)~9月1日(日曜日)
開演時間:9時30分~19時(但し日曜は17時閉館/入室は閉館30分前まで)
休館日:月曜日
入場料:【一般】1,000円【大学生】500円【高校生以下】無料

高松市・女木島では、ヘアサロンを作品化する「島の中の小さなお店」プロジェクトの展開中。
海を眺めて髪を切ってもらえるようだ。
あわせて訪れてみてはいかがだろうか。

ここから学べる発想のヒント

ホラノコウスケ
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コウスケの日常

ホラノコウスケ
やっと、予約していた塩田千春展の図録が届いた。
宮永愛子展も図録が間に合っておらず、残念。あれば、買ったかもしれないのに。
宮永愛子「漕法」高松市美術館、瀬戸内芸術祭

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ABOUTこの記事をかいた人

講師、フリーライター。愛知県在住。 トニー・ブザン公認マインドマップ®・インストラクター、Points of You®認定トレーナーとして、「頭の使い方」を楽しく体験できるワークショップを開催。名古屋を中心に、全国で大好評。 またフリーライターとして、タウンワークマガジンなどのサイトに執筆。 詳細プロフィールはこちら