感想『イサム・ノグチ 発見の道』展(東京都美術館、〜2021/8/29)





圧巻!

1年で536展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。

東京都美術館にて、『イサム・ノグチ 発見の道』が開催されています(〜2021/8/29)。
いやぁ見たことのない景色です。

『イサム・ノグチ 発見の道』展とは

日本人を父に、米国人を母に生まれたイサム・ノグチ(1904-1988)は、東西の間でアイデンティティの葛藤に苦しみながら、独自の彫刻哲学を打ち立てた20世紀を代表するアーティストです。20代で彫刻家コンスタンティン・ブランクーシと出会い、そのヴィジョンに決定的な影響を受けたノグチは、自然と通底する抽象のフォルムが生み出す世界を、生涯を掛けて追い求めました。ノグチは戦争によって、両親の祖国が互いに敵国になるという痛恨事を経験しており、平和への強い願いを込めた作品も残しています。本展では、類例なきつくり手による「発見の道」を辿りながら、ノグチの日本文化への深い洞察や、その今日的な意味を明らかにし、彼の彫刻芸術の核心に触れる機会にしたいと考えています。

イサム・ノグチ 発見の道|東京都美術館

「彫刻」とは?イサム・ノグチの様々な彫刻

まず目を引くのはこれ。
インスタでもたいていこの作品《あかり》を上げている人が多いですね。

彫刻家がちょうちんを作るって、意外じゃないですか?

イサム・ノグチは平和記念公園に二つの橋を作るため広島へと向かう途中、岐阜県・長良川の鵜飼の見物に立ち寄ったところ、岐阜提灯に出会います。
彫刻の新たな可能性を予感し、すぐ翌日の晩には二つの新しい提灯のデザインを行ったのだとか。

縦に長い、こんな作品たちも。

「AKARI」シリーズは役立つ彫刻・身近な彫刻として、気軽に購入できる価格でいまなお人気です。

 

いっぽう、物事を抽象化するイサム・ノグチの彫刻のタイトルを当てるのも楽しい。

(a) これはある動物です。何でしょう?

 

(b) これは人間のアレ。何だと思う?

 

(c) これは人間のある仕草。何でしょう?

さぁ、正解はぜひ美術館で確認してください。

 

いっぽう、こんなカラフルな作品も。
イサム・ノグチの作品は公園の遊具などにもなっているから、そういったものを連想させます。

サカナクション山口が音楽でイサム・ノグチを紐解く

通常の音声ガイドもあるのですが(「鬼滅の刃」煉獄杏寿郎役の声優さんナビゲート)、私はサカナクション山口さん選曲のサウンドツアーを選びました。

山口さんがミュージシャンとして、音楽というこれまでにない視点からイサム・ノグチを紐解く“サウンドツアー「イサム・ノグチと音楽」”。
ノグチが生きた時代、旅した場所、出会った人物、そして耳にしたサウンド…彼の辿った足跡をもとに、山口さんが古今東西の楽曲リストを選び出し、完成した展示空間に合わせて独自に編成。鑑賞者はヘッドホンを装着し、このサウンドを楽しみながら、イサム・ノグチの作品世界を堪能することができます。

グッズ・図録・音声ガイド・サウンドツアー

東京都美術館では初めての試み。
ジャズや和の音楽を聴きながらのアート鑑賞は、よりその場に入り込めるユニークな体験です。オススメ。

いっぽう、美術館のサイトでは山口さんのインタビュー動画を見ることができます。

NHK Eテレの日曜美術館での言葉3選

NHKの日曜美術館にて、「わたしとイサム・ノグチ サカナクション 山口一郎」という特集がされていました。
山口さんがアートに興味を持つきっかけはイサム・ノグチだったそう。
そしてサカナクションの「茶柱」という曲のライブ演出でイサム・ノグチの「あかり」を使用したのだとか。

この番組で印象に残った、イサム・ノグチについての言葉を3つ、紹介します。

まず1つめはイサム・ノグチ本人の名言。

人間が傷つけた土地を、アートで再生する。それが私の仕事です。

イサム・ノグチは、公園や山など、 土地全体を彫刻ととらえて作品作りをしたりもしています。

 

安藤忠雄、三宅一生、イサム・ノグチの交流についても話題となりました。
2つめの言葉は、安藤忠雄さん。

ああいうエネルギッシュな方は、いつも未来を見つめている。
いつも未来を見つめている人は、激しい

 

最後3つめは、25歳でイサム・ノグチと出会い、共に製作をしていた石材屋の和泉さんの言葉。

昨日と同じだと、機嫌が悪かったですね

人まねではなく、いつも新しいことを探していたイサム・ノグチ。
その様子が目に浮かぶようです。

まとめ

あなたはどの作品が気になりましたか?

イスラエルの美術館へ行ったとき。
そこにイサム・ノグチの作品があり、日本人の血の流れる人の作品にイスラエルでまで出会えたことに喜びを感じた、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。

展覧会の詳細

展示名:イサム・ノグチ 発見の道
場所:東京都美術館
アクセス:JR上野駅「公園口」より徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分
会期:2021年4月24日(土)~8月29日(日)
開演時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
休館日:月曜日 ※ただし7月26日(月)、8月2日(月)、8月9日(月休)は開室
入場料:一般 1,900円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,100円

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ABOUTこの記事をかいた人

講師、フリーライター。愛知県在住。 トニー・ブザン公認マインドマップ®・インストラクター、Points of You®認定トレーナーとして、「頭の使い方」を楽しく体験できるワークショップを開催。名古屋を中心に、全国で大好評。 またフリーライターとして、タウンワークマガジンなどのサイトに執筆。 詳細プロフィールはこちら