これが「2021年に見た中で最も良かったアート展」になるかも?
1年で536展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
京都国立近代美術館にて、『ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-』が開催されています(〜2021/6/20、その後は茨城県水戸市へ巡回予定)。
今年もまだ前半ですが、今年のトップ10には確実に入るだろうと思える素晴らしい内容でした。
この記事では本展の概要と、私が特に気に入った作品ベスト3を紹介します。
目次
『ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island -あなたの眼はわたしの島-』
スイスを拠点に国際的に活躍する現代アーティスト、ピピロッティ・リスト(1962—)の回顧展を開催します。五感を刺激する心地よい音楽と、鮮やかに彩られた世界をユーモアたっぷりに切り取った映像によるヴィデオ・インスタレーションは、国を越えて幅広い世代の観客を魅了してきました。
本展は、身体、女性、自然、エコロジーをテーマとした作品およそ40点で構成。(中略)
ベッドでくつろぐ、食卓を囲むといった遊び心あふれる没入型の映像体験を通して、コロナ禍における鑑賞者と美術館の関係を再構築するとともに、現代社会における切実なテーマを鑑賞者の身体とともに少しずつ解きほぐす機会となるでしょう。
ではここからは、特に気に入った作品を紹介します。
3位《永遠は終わった、永遠はあらゆる場所に》
おしゃれでにこやかな女性が大きな花を持って歩いている。
そして次の瞬間…。
とんでもないことをしているのに、妙に爽やか。
男性と女性の関係や、女性の強さを感じる映像作品です。
2位《4階から穏やかさへ向かって》
なんと、ベッドに寝転がって天井を見る作品です。
天井の映像は、川の中。
ベッドでくつろいでいるのに、そこにはシリアスなピアノ音楽が流れています。
映像を見るうち、自分が水面へ上がろうと必死にもがいているように思えてきました。
いま息苦しいのはなぜか?
どうすれば上がれるのか?
私にとって水面とは…?
ちなみに解説によると、ピピロッティ・リストは川の中にカメラを潜らせたところ
まるでモネの《睡蓮》を水の下側から見たような景色
と感じたのだとか。
1位は…、2作品!
- 《HIPLIGHTS》
- 《溶岩の坩堝でわれを忘れて》
の2作品を1位とします。
こんなアート見たことない!
どちらも度肝を抜かれた作品です。
あえて写真はモザイクをかけておきました。
ぜひ、会場で作品を探してください。
そう、探さないと見逃す可能性がある作品なのです。
ヒントは…、
- 《HIPLIGHTS》は美術館の外
- 《溶岩の坩堝でわれを忘れて》は床
です。
他にも…
食卓やソファなどくつろげる空間にも、映像が映し出されています。
とにかく個性的な空間がいっぱいです。
この箱の中には…?
まとめ
絵画や彫刻がポンと置かれているのではない、こうした没入型のインスタレーションが大好きです。
身体、女性、自然、エコロジー、それらを体験するアートはリアルで刺激的。
自宅のようにくつろげたり、縦に横にと心を揺さぶられたり。
一時、コロナで休館になっていたのが復活・会期延長されたおかげで見に行くことができ、本当に良かったとホッとしたホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
展覧会の詳細
場所:京都国立近代美術館
アクセス:地下鉄東西線「東山」駅下車 1番出口より徒歩約10分
会期:2021年4月6日(火)~6月20日(日)
開演時間:9時30分~17時(6/1から18時まで、金・土は20時まで、最終日は17時まで)
休館日:月曜日
入場料:一般:1,200円、大学生:500円
場所:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:2021年8月7日(土)~10月17日(日)
開演時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日
入場料:一般 900円、高校生以下/70 歳以上は無料
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