あらゆる創造活動は、まずなによりも破壊活動である。
ピカソはそう言った。
ピカソの影響でデザイナーから画家に転身した横尾忠則さんはまさに、破壊と創造の人ですね。
1年で536展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』展が以下のとおり開催されています。
- 愛知県美術館(〜2021/4/11)
- 東京都現代美術館(2021/7/17~10/17)
- 大分県立美術館(2021/12/4~2022/1/23)
これがとにかくヤバいんです。
目次
『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』展
私は絵画から目を外して来ませんでした。
未だに絵画は私にとって未知の領域です。横尾忠則
横尾忠則(1936年生まれ)は、1960年代初頭よりグラフィック・デザイナー、イラストレーターとして活動を開始し、日本の土俗的なモティーフとポップ・アート的な感覚を融合させた独自の表現で注目されました。1980年代には「デザイナー」から「画家・芸術家」へと活動領域を移し、斬新なテーマと表現による作品を次々と発表して、現代美術家としても高い評価を得ています。(中略)
東海地方の美術館で開催される初めての大規模な個展となる本展は、絵画を中心にグラフィック作品を加えた豊富な出品作品によって、横尾の生涯の展開をたどりながら、その芸術の全貌を明らかにするものです。
場所:東京都現代美術館
アクセス:東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分
会期:2021年7月17日(土)~10月17日(日)
開演時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(8/9、9/20は開館)、8/10、9/21
入場料:一般2,000円、大学・専門学校生・65歳以上1,300円、中高生800円、小学生以下無料
場所:大分県立美術館
会期:2021年12月4日(土)~2022年1月23日(日)
開演時間:10:00~19:00 ※金・土曜日は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
休館日:なし
入場料:一般 1200円、大学・高校生 1000円、中学生以下は無料
場所:愛知県美術館
アクセス:東山線または名城線「栄」駅から徒歩3分(オアシス21から直通)
住所:名古屋市東区東桜一丁目13番2号
会期:2021年1月15日(金)~4月11日(日)
開演時間:10:00〜18:00、金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日
入場料:一般 1,500、高校・大学生 1,200円、中学生以下無料
鑑賞にかかる時間・混雑状況は?

名古屋で鑑賞した様子です。
東京・大分も大きくは違わないと予想されます。
かなりじっくり鑑賞する私は、16:00〜18:00の2時間かかりました。
実際には、1周目が1時間30分、2週目が30分です。
早い人なら30分〜1時間で鑑賞できるでしょう。
ただ、この展覧会は、二往復することをお勧めします。
1周目には気づかなかったことに、2周目は気づいたりするんです。
あ!よくよく見ると、こんなところに○○が!
ん!450ってもしかして!
そんな体験ができるのも、横尾忠則作品の好きなところです。
なお、同時開催しているコレクション展も鑑賞にさらに1時間。
グッズ売り場で20分かかりました。
じっくり鑑賞する私の場合、美術館に合計3時間20分いたことになります。
見どころ、実際の様子
半分以上は写真撮影ができません。
これがとても残念ですが、私がニヤニヤしてしまったものの中から撮影OKだったものを紹介しましょう。

横尾忠則《回転する家》
まずこれ。
横尾忠則さんが繰り返し描いているモチーフの1つ、「Y字路」。
よく見ると、下に手がありますよね。これなんと本物の新聞が貼ってあるんです。
しかも、その内容が。

これを問題の兵庫・横尾忠則現代美術館で見たときには一人で吹き出してしまいました。
これを作品にしてしまうとは。
パワハラまがいの嫌がらせと捉える方もいるかも知れませんが、これはたまらないジョークですね。

横尾忠則《T+Y自画像》
そしてこれも以前、横尾忠則現代美術館で見たのですが、すごく好き。
また会えて嬉しい。

これだけのカラフルな肖像画?似顔絵?がそろっていると、圧巻です。


こんな女性に会ったことない。


コロナ禍で横尾さんは自身の作品にマスクをコラージュしたものをインスタに投稿中。
それがガラスに貼られているインスタレーションもおもしろい。

横尾忠則《滝のインスタレーション》横尾忠則現代美術館にて
《滝のインスタレーション》は、過去に横尾忠則現代美術館では写真撮影できたもの。
ところが、ここ愛知県美術館では撮影NG。残念ですね。
インスタなどにシェアしたらみんなが美術館へ足を運びたくなるような作品ほど、撮影NG。
正直、企画や展示方法など横尾忠則現代美術館には全くかなわない、割と「普通」な展覧会です。
しかし、だからこそ、作品そのものに目も心も向けられるようにも感じられました。
破壊と創造と横尾忠則
不確実・不安定なこの時代を私は、アーティストのように生きると決めた。
実験し続けること、
完成と思わないこと、
社会通念から逸脱し新しいことをすること、
「情報」より「体験」にインスパイアされ表現すること、
生死に向き合うこと。
横尾さんの作品とその歴史に目を合わせるたび、頬を引っ叩かれた。

(右下)横尾忠則《天の足音》
作品《天の足音》には、こうあった。
「天才ハ忘レタコロニィヤッテ狂ゥ」
彼は憧れの「変態」。
会場に似た髪型の人がいたけど、気のせいかな?
ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
ここから学べる発想のヒント

その他、横尾忠則の過去の展覧会
コウスケの日常

一人で味仙(名古屋めし?中華料理?)になんか行くもんじゃないな。