あなたのヒーローは誰?
2018年だけで326展ものアートに触れたライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
神戸にある兵庫県立美術館にて、「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」展が開催されています(〜2019/3/17)。
キャッチーなタイトルにそそられて足を運ぶと、そこにあったのは…?
目次
「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」展(〜3/17)
20世紀のはじめから現代へと至る日本の美術作家の表現には、社会的な関心が色濃く表れたものも少なくありません。本展はそうした傾向を示す作品の中でも、特別な存在(ヒーロー、カリスマ、正義の味方)と無名の人々(公衆、民衆、群集)という対照的な人間のありかたに注目するものです。(中略)
このような問題意識のもとに、本展では「ヒーロー」や「ピーポー」とは何かという問いに応えようとしてきた昭和と平成の時代に生まれた作品を5 つのテーマに沿って見ていきます。
展示は以下で構成されています。
- 集団行為 陶酔と閉塞
- 奇妙な姿 制服と仮面
- 特別な場所 聖地と生地
- 戦争 悲劇と寓話
- 日常生活 私と私たち
そのほか、「私たちの時代の表現」として
- 会田誠さん
- 石川竜一さん
- しりあがり寿さん
- 柳瀬安里さん
による本展のための最新作を紹介しています。
あなたのヒーローは誰?そしてピーポーとしてのあなたは?
阪神本線岩屋駅から徒歩8分。
ド派手なカエル?を目指して歩きましょう。
途中の道にもアートが。
あぁ、なんて素敵な街なんだ!
ありました。かなり大きな美術館です。
奥へ進み、チケットを購入します。
まず目に飛び込んでくるのはヒーローたちの洗濯物。
頑張ってる人・すごい人の裏側を知ると、あなたは萎える?萌える?
ヒーローといえば。
ウルトラマンの集団が整列してバンザイし日本国旗を表現する柳幸典《バンザイ・コーナー》。
それは鏡で作られた虚像。異様な光景です。
この動画作品は、作家自身が国会前でデモ抗議中の道にチョークで線を引き続けた記録です。
「何やってるの?」
「何のために?」
周りから繰り返しされる質問、そして後を追う警察官。
人々の「普通じゃない」ことへの恐怖・抵抗・好奇心が見えます。
一方、こちらも動画作品。
カラスたちを剥製と鳴き声でおびき寄せ、バイクや車で牽引してしまいます。
賢いカラスをあっさりとコントロールしてしまう様子に、リーダーとフォロワーの関係性、あるいは仲間意識の危うさを感じます。
リーダー(的な人)の言葉を鵜呑みにし、盲信してしまう人。
一人の意見・1つのグループの考えだけを「正しい」と思ってしまう人。
居心地の良いグループにいて、そこにいると自分は正しいと思えて、自分は頑張ってると思えて、そこに依存してしまう人。
などなど。
カラスが集まってきて彼女を追いかける様子に、そんなことを思ったのです。
まとめ
ここで紹介した作品は特に、遊び心と挑戦を感じるもので、私の心を刺激してくれました。
一方、本展は他にもゴジラなどのヒーロー、あるいは人々に関わる絵画や資料などが展示されています。
私にとってのヒーローは誰だろう?
そんな事を考えた、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
場所:兵庫県立美術館
アクセス:阪神本線岩屋駅から徒歩8分
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
会期:2019年1月12日(土)- 3月17日(日)
開演時間:午前10時-午後6時(金・土曜日は午後8時まで)、入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(ただし2月11日(月・祝)は開館、2月12日(火)は休館)
入場料:一般 1,300円、大学生 900円、70歳以上 650円、高校生以下 無料