「自分らしさ」とは?
アート大好きライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
横尾忠則現代美術館にて「横尾忠則 画家の肖像」を開催中(〜8/26)。
グラフィックデザイナーから画家へ転身、自身のイメージもメディアで拡散されてきた横尾忠則さんの「肖像」をテーマにした展示。
意外にも、彼の肖像の数々を見ながら、私はこんな事を考えました。
「横尾忠則 画家の肖像」@横尾忠則現代美術館
1965年の自主制作ポスター《TADANORI YOKOO》以来、横尾忠則は作品にたびたび自身の姿を登場させています。1960年代後半から若者文化を牽引し、作品のみならず作家自身のイメージまでもがメディアによって拡散されてきた横尾にとって、主観と客観が混在する自身の肖像は特別なテーマであったといえます。また、グラフィックデザイナーから画家へ転身する1980年初頭には、確立したデザイン手法を封印し、絵画の中に自分らしさを求めて、多種多様な自画像を描き始めます。
本展の第一部では、移り変わる関心のままに主題や様式を変化させてきた横尾の根底にある自己探求のプロセスを、自画像というテーマから探ります。虚像としての横尾忠則像を自ら複製する1960年代後半から70年代、試行錯誤を繰り返し、様々な手法で自身の姿をモチーフとして取り入れる1980年代、少年期の記憶から自身を見つめる1990年代、日常の延長をスナップ写真のように描きとめる近作など、自画像の変遷は、描くこと、生きることに対する横尾の意識の変化でもあります。
第二部では、横尾が影響を受けた画家の肖像を展示します。そこには師であり仲間でもある先人たちへの敬意や共感、批評等、様々な思いが見え隠れしています。
素人の考えでは、グラフィックデザイナーであったことは画家に良い影響がありそうですが、彼はそれを封印。
クライアントに求められるものではなく、「自分らしさ」の探求が始まったわけですね。
「横尾忠則」を追体験し、自己探求
ヴィヴィッドな色使いと、独特のユーモアとアイデアが感じられるのが私好み。
脳内ミキサーに「横尾忠則」と「自分自身」を入れる感覚です。
あとはミックススムージーを作るだけ。
どんな味になるだろう?
そのままじゃつまらないからちょっとスパイス足すか。飲めるギリギリのマズさにしてみる?
本展を鑑賞するうち、考え方・生き方など、横尾忠則の自己探求を追体験をしながら、自分自身を考えるキッカケになります。
「自分らしさ」とは、そういうことかもしれません。
横尾忠則も、大人気グラフィックデザイナーから画家へ転身した時は、自分らしさを求めて様々なアーティストの影響を受けたのが本展でわかります。
中でも彼にとって「自画像」を描くことは自己探求だったかもしれない。
まとめ
我々にとっても「顔」は一番の「自分らしさ」。
今日、自分はどんな顔をしてる?どう見られたい?
ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
場所:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
会期:2018年5月26日(土)-8月26日(日)
開演時間:10:00-18:00[金・土曜日は20:00まで]入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
入場料:一般 700円、大学生 550円、70歳以上 350円、高校生以下 無料