この2020年。
ひまわりの季節に、私たちはどうしているだろう?
1年で536展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
新型コロナ感染予防のために外出自粛の日々が続いています。
アート巡りができないため、アート関連の映画を見まくっています。
今日紹介するのは映画『世界で一番ゴッホを描いた男』。
中国でゴッホの複製画を描き続けて20年の男がついに、憧れの本物のゴッホ作品に出会います。
目次
映画『世界で一番ゴッホを描いた男』
フィンセント・ファン・ゴッホ。後期印象派を代表する画家でありながら生前は不遇な人生を送ったといっても過言ではありません。自分の命を削りながら一筆、一筆をキャンパスに自身をぶつけ、芸術に人生を捧げて芸術の高みを目指したゴッホ。そんなゴッホに魅せられた男が中国にいました。20年にわたりゴッホの複製画を描き続け、本物の絵画を見たいと夢み、ゴッホに人生を捧げる男の姿を追った感動のドキュメンタリーです。
この男は、職人?芸術家?

男の仕事は、複製画を描くこと。
ゴッホ独特の筆のタッチを研究し続けて描き出す複製画は、海外へ多く納品している。
しかし決して裕福ではない。
弟子は給料が安くてやめてしまう。
そんな中、男は一大決心し、夢にまでみた本物のゴッホ作品に会いにオランダ・アムステルダムへ。
彼は「ひまわり」の前で、感動と興奮のあまり10分以上も動けなかった。
そしてショックを受け、帰国後に悩むのです。
自分は、ゴッホの精巧な複製画を大量生産する「職人」なのか?
それとも、「芸術家」なのか?
あなたは職人?芸術家?
職人?芸術家?というこの話。
この男だけの話ではないと感じるのは私だけでしょうか?
「職人」と「芸術家」の違い、あなたはどう考えますか?
「職人」は、客の要望通りに同じものを作り続ける、高い技術を持つ人。
「芸術家」は、自分なりの表現で新しいものを作り続ける人。
私はそうとらえました。
そうだとしたとき、あなた自身はどうでしょう?
客や上司の指示通りに、正確にやりとげる「職人」?
それとも、
自分らしい工夫で、客や上司に提案する「芸術家」?
「同じ」より「違い」に価値がある
私がアートに惹かれるのは、「自由」で、「違い」に価値がある点です。
アーティストは、他にない価値を生み出します。
他と同じならそれはパクリです。
あるいはコピーしまくって販売するポストカードより、一点物の作品のほうが値段が高いのはイメージできるでしょう。
他と違うものに価値があるのです。
極端いえば、技術はなくても独創的な発想1つで新しい価値を生み出せるのが芸術家・アーティストです。
あまりアートに興味のない方と話すと、
絵画はいかに精巧に描くかという「技術」が重要
と思っている方もいるようです。
でも違います。
たとえば、有名なデュシャンの《泉》という作品は有名です。
市販の男性用小便器に“R.Mutt”という署名と年号を書き、これはアートだと言ったことが問題になったのです。
技術も何もありません。
他人が作った量産品にサインして「アートだ」と出品したのですから。
でもこれ、20世紀の前衛美術の最も重要な作品の一つとなっているんです。
そんなことをする人はそれまで他にいなかったからです。
「他にない」という価値です。
あなたは職人になる?芸術家になる?それとも?
私はサラリーマン時代、「作業」を仕事にしていた時期があります。
指示通りに、ミスなく、どれだけ早く終えるかという仕事でした。
それは私にとって、とても退屈。
そして、ショックでした。
新人に少し教えたら、私と同じ作業ができるのですから。
自分の価値とは?と考え始め、
やりたい仕事・やりたくない仕事の基準が変わり、明確になった時期でした。
私は「考える」仕事がしたいのだと。考えることを私から奪わないでくれと。
もちろん、良い・悪いはありません。
単純作業が好きな方もいますし、まだそういう人々のおかげで世界が回っています。
ただ、考えてみてください。
他人に取って代わられる仕事って、恐ろしいと思いませんか?
あなたより安い給料で、あなたと同じ仕事ができる人がいれば、あなたはクビになるかもしれないのです。
あるいは、あなたと同じ仕事をAIやロボットのほうが早く正確に仕事ができるとしたら…?
私は、人がもともと持っている「違い」をもっと表現する必要があると考えています。
そして他人の言うことを鵜呑みにするのではなく、「自分はどう考える?」と常に問い続ることが大事だと思うのです。
それはアーティストのように生きることです。
ただ。それを追い求めながら、まだまだ職人系かもしれないとモヤモヤした、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
映画『世界で一番ゴッホを描いた男』視聴方法は?
↓アマゾンプライムで視聴できます。
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