息をのむ美しさ。
2018年だけで326展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。
東京都写真美術館にて、「マイケルケンナ写真展 MICHAEL KENNA A 45 Year Odyssey 1973-2018」展が開催されています(〜2019/1/27)。
ココ・シャネルは言いました。
黒にはすべてがある。白も同じ。その美しさは絶対的なもの。それが完璧なハーモニー。
カリスマ写真家マイケル・ケンナはそれを、圧倒的な形で表現しています。
目次
「マイケルケンナ写真展 MICHAEL KENNA A 45 Year Odyssey 1973-2018」
マイケル・ケンナは、これまでに開催された個展が約450回、出版されたハイクオリティな写真集は約70タイトルにものぼる全世界で圧倒的な人気を誇るカリスマ的存在です。崇高な美意識と独特のコンポジットの中で、移ろう自然の神秘と多様な文化への憧憬を、時には長時間露光を駆使して一葉の写真に焼きつけていく芸術性が、世界中で高く評価され、多くの写真ファンのみならずプロの写真家たちをも魅了し続けています。(中略)
本展では、45年に渡るケンナのキャリアの中から代表作を選りすぐって展示。長年にわたり毎年のように訪れた彼の愛する日本の写真も数多く含む展覧会となります。
恥ずかしながら本展でマイケル・ケンナを知ったのですが、とにかく作品に惚れ惚れしました。
私は写真は技術よりセンス(アイデア)と思っていましたが、彼はどちらも圧倒的なのです。
息をのむ、モノクロの美
自然、いや地球の美しさ。
それをケンナが教えてくれているようです。
同じ場所で撮影しても、こうはならないでしょう。
何げない風景も、ケンナが切り取ればまるで五線譜のようです。
真四角写真はインスタ的でもありますね。
社会的なテーマへの取り組み
ケンナは美しい風景描写のみならず、原発や廃れゆく工場地帯などの数々の社会的なテーマにも取り組んでいます。
1988年からは約12年の歳月をかけてナチスドイツの強制収容所28ケ所の撮影を敢行、300点のプリントとネガをフランス政府に寄贈し芸術文化シュヴァリエ章を受章しています。
今回、特別展示として、この連作「Impossible to Forget」を日本で初めて展覧。
イスラエル・エルサレムのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)記念館「ヤド・バシェム」を2017年に訪れたときのことを思い出し、胸がギュッと締め付けられました。
また被写体に「人物」を選んだまったく新たな試みとしてこの10年にわたり日本の古い家屋で撮影された未発表のヌード作品も、本年11月のパリでの世界初公開に続き日本初公開しています。
まとめ
過去に自分が撮ったものをあれこれ掘り起こしてみようと思った、ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
こんなにも美しい写真は出てこないけど、純粋で美しかった「視点」を思い出すかも、という期待で。
場所:東京都写真美術館
アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約7分
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
会期:2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)
開演時間:10:00~18:00(木・金曜は20:00まで)※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:毎週月曜日
入場料:一般 1,000円/学生 800円/中高生・65歳以上 600円
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