「これらの絵画を自宅の壁に飾りたい」
学生時代にそう思ったというビュールレ氏。
その後、実業家として成功し、美術品をコレクションし始めたのです。
名古屋市美術館にてビュールレ・コレクションを開催中(〜2018/9/24)。
2018年にみたアート展が150を超えたライター・講師のホラノコウスケ(@kosuke_art)が、見どころや混雑状況を紹介します。
目次
至上の印象派展ビュールレ・コレクションとは
本展ではドラクロワ、ドガ、マネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、セザンヌ、マティス、ピカソ…「この絵はビュールレ・コレクションにあったのか!」と驚く、豪華な作家たちの競演が繰り広げられます。特に印象派・ポスト印象派の作品は傑作揃いで、絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》は印象派の中でも人気の高い両巨匠の「最高傑作」として知られています。
ビュールレは自身の心の拠り所として、約600点もの美術品を集めたというから驚きです。
そのコレクションの中にはあなたも「見たことある!」というものがあるかもしれません。
見どころは?
今回、約半数が日本初公開のもの。
それらは特に、価値が感じられますね。
まずは本展が一押ししているこちらが外せません。
絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるこの作品。
透明感のある白い肌、1本1本を細かく描かれた髪の毛、そのあどけない表情に、思わず見とれてしまう美少女です。
私が興味あるのは、モデルの少女イレーヌの心の中。
これはお金持ちの父親がルノワールに依頼して描かれた作品ですが、彼女はどんな想いでモデルをし、できあがった作品を見てどう感じたのでしょう?
そして第2章はこの作品など眺めて歩くうち、私もイタリアを旅行しているかのような気持ちに。
このカナレットの作品は、描写が正確で透明感があり、フレームの中の絵画というよりも、窓枠の向こうの風景を見ているようです。
第4章、第5章にある、当時は酷評されたモネ、ピサロ、シスレーなどによる印象派の風景、ドガ、ルノワールらによる印象派の人物画も注目です。
そして第7章、ゴッホが短い画家人生を燃やし尽くして生み出した6点の作品の中には、
- ジャン=フランソワ・ミレーの同名作品
- 日本の浮世絵
- ゴーギャンからの手紙
の3つからの影響が見えるこちらの作品も。
アーティストというと自分だけの表現を求めているものですが、多くのアーティストが他のアーティストから影響を受けているもの。
それが本展でもよく分かります。
第8章、第9章とピカソ、ゴーギャン、ブラックらのモダンアートになると、ここまでの作品とはずいぶん印象が違うので、驚くことになるでしょう。
そして最後には、あの作品と写真撮影ができるんです。
アイデアに惹かれる作品も
一方、私は「アイデア」に強く惹かれます。
アートだけでなく、料理でも音楽でもそう。
自分じゃ思いつかない!と感じたとき、ワクワクするんです。
そういう意味で、モネの描く幻想的なロンドンの風景は感動です。
橋のかかった水辺の風景を描くとき、こんな色を使うでしょうか。
光の表現にこだわり続けたモネの強いこだわりが感じられます。
そして、美しい。
こちらもぜひ、実際の作品をみていただきたいもの。
点描のように描かれたヒナゲシ畑はあまりに美しく、思わず見とれてしまいます。
あれ?またモネですね。
モネ作品、そして彼の表現に対するこだわりが、私は好きみたいです。
1908年からキュビズムの研究をピカソとともにしていたブラック。
「これがヴァイオリニスト!?」と思っちゃいますが、よく見ると…。
物の形を大胆に崩し、再構成しているんです。
そしてこちらがピカソ。ポスターみたいでオシャレですね。
見えるものを、単純な形で捉え直す。
そういうチャレンジする姿勢を見せてくれているようにも感じられます。
他にも、シニャックは1738年のカナレットと同じ景色を1905年に描いており、その2点を比較して鑑賞できるんです。
シニャックが絵の具を混ぜずに点描のように描く風景は明るく、きらめく水面がイキイキとしています。
この前衛的な表現、貴方はどう感じますか?
写真撮影できるのはこの作品
モネはたくさんの睡蓮の池を描いていますが、これは日本初公開。
高さ2メートル×幅4メートルの大作です。
写真撮影できるのが嬉しいですね。
混雑状況は?
私が行った8/10(金)12:00すぎは、平日のランチ時間にもかかわらず、多くのお客さんがいました。
とはいえ大混雑!というほどでもないです。
スムーズにチケットを買い、最後のモネの睡蓮も写真におさめることができました。
リアルタイム情報は、公式ツイッターや、みんなのツイッター(#至上の印象派展、#ビュールレコレクション、#名古屋市美術館)を見てみると良いでしょう。
10分歩けば、本物の睡蓮の池もあります
名古屋市美術館から徒歩10分ほど。
久屋大通庭園フラリエへやってくると、そこには睡蓮の池が。
名古屋市美術館とのタイアップ企画なんです(〜2018/9/24)。
モネの睡蓮を見た後に、リアルな睡蓮を見ることができ、ごきげんなホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。
開催概要
場所:名古屋市美術館
住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-25
会期:2018年7月28日(土) ~ 9月24日(月・休)
開演時間:午前9時30分~午後5時(毎週金曜日は午後8時まで)
休館日:月曜日(ただし8月13日、9月17日、24日は除く)、9月18日(火)
入場料:一般 1,500円、大学生 1,000円、高校生 800円
近くのうどん屋さんもオススメです。
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