愛知のアートの歴史をたどる『アイチアートクロニクル1919-2019』(愛知県美術館、〜2019/6/23)





ストーリーを知ると、物事はもっと面白くなる。

2018年に全国326展のアートを巡ったライター・講師、ホラノコウスケ(@kosuke_art)です。

愛知県美術館にて、『アイチアートクロニクル1919-2019』が開催されています(〜2019/6/23)。
愛知県のアートの歴史を100年もたどることができるんです。

愛知のアート界でこんなことがあったって、知ってました?

『アイチアートクロニクル1919-2019』とは?

ちょうど100年前の1919年、東京の洋画グループ「草土社」に触発されて、愛知に暮らす10代20代の若者たちが一つの展覧会を開催しました。「愛美社」と名付けられたこのグループは、中央から強い影響を受けながらも、ここ愛知に軸足を置いて活動を展開します。本展は、この1919年を起点として、20-30年代の洋画壇やアヴァンギャルドの活発な活動、40-50年代の混乱と復興、60-70年代の反芸術やオフ・ミュージアムの傾向、80-90年代の現代美術を扱うギャラリーの増加、そして2000-10年代の官主導の公募展や芸術祭の隆盛にいたるまでの100年のあいだに、愛知の前衛的なアートシーンを様々なかたちで揺り動かしてきたムーブメントや事件を辿る企画です。

アイチアートクロニクル1919-2019 | 愛知県美術館

2019年4月にいよいよ全館リニューアル・オープンした愛知県美術館。
そのちょうど100年前が、上記「愛美社」が展覧会を開いた年なのです。

本展は、その100年間をたどることができる展覧会です。

様々なグループの誕生

本展で愛知のアート界を100年たどる中、様々なグループが登場します。

  • 愛美社
  • サンサシオン
  • 美術新選手
  • ナゴヤアバンガルドクラブ

などなど。

「アーティスト」「芸術家」というのは、自分だけの表現を目指すもの。
しかし、グループを作って活動したり、他者の影響を受けることが多いようです。
ただ「教えてもらう」というよりは、「刺激し合う」というイメージでしょうか。

「影響を受ける」ことと「言われたとおりにする」こととは違います。
他者の影響を受けつつも、自分なりに考え・感じ、それを表現するのがアーティストなのではないでしょうか。

そういう人は、アート界以外でも重宝される時代と感じます。
言われたことを言われた通りにするだけなら、コンピューターやAI、ロボットで済む時代ですから。

表現の弾圧、自粛、あるいは戦争とアート

本展において「戦争」も印象的な話題です。

戦時色が濃くなるにつれ、美術界でも前衛的な表現が弾圧、あるいは自粛されることがありました。
多くの作品が没収され、残っていないというのは残念な話です。

戦争画が描かれ、その展覧会が盛んに開催されていたというのも、今の平和な日本に住む私には想像が難しい。
戦争とアート、表現の自由について、考えさせられる内容です。

美術館やギャラリーを飛び出した芸術家の活動

1960年代の愛知には、若い美術家らが借りられる展示スペースが多くなかった。
そのため必然的に、活動を屋外へと広げざるを得なかったといいます。

長良川河畔でのハプニング、伏見通りや白川公園での野外彫刻展、あるいは裁判や選挙を利用したパフォーマンスなどの活動があったのだとか。
本展ではその様子を動画で見ることができます。

栄の道を這いつくばる芸術家のパフォーマンス動画などは、まるでYouTuberのようです。
最近、横断歩道にベッドを置いて寝る様子を動画投稿した人に警察の操作が入りましたね。

しかし決定的に違うのは、その目的でしょう。

YouTuberはなぜそれをしているのか?
芸術家はなぜそれをしたのか?

その他の作品も

本展は、基本的に写真撮影NGです。
非常に残念ですね。

販売されている図録を購入すれば、作品をまた見ることができます。
しかしカラーではなかったため、私は今回は購入を見送りました。

ただ、メインの企画以外のところで一部、撮影可能な作品があります。

フェルナン・レジェ《緑の背景のコンポジション》

エドヴァルド・ムンク《イプセン『幽霊』からの一場面》

ムンクといえば《叫び》ですが、こんな作品も描いているんです。

 

グスタフ・クリムト《人生は戦いなり(黄金の騎士)》

今年、上野(東京)、豊田(愛知)をまわるクリムト展。
そのクリムトの作品もあります。

 

パブロ・ピカソ《青い肩かけの女》

分かりやすいピカソのイメージとは違いますが、ピカソの「青の時代」と呼ばれる時代の作品です。
ピカソが最も貧困していた時代で、画材にも事欠き、過去の作品の上に新たな作品を描く行為が繰り返していました。
つまり、この作品にも下層に別の絵が隠れているのでは?と研究されているようです。

【まとめ】場所、入場料、開館時間、所要時間など詳細

気づけば3.5時間も、愛知の美術界の物語を楽しんでいました。

しかし、残念です。
出口を出た瞬間から、作品の記憶は私の脳から消え始めるのです。

その理由は2つ。
1つは、写真撮影NGだったこと。
(図録は白黒だったため購入せず)

もう一つは、出た後にとんでもない映像作品があったからです。

テュラ テュラテュラテュラテュラ テュララ〜♪

他の作品の記憶はどんどん消えていくのに、あの映像作品の子どもたちの歌声、表情、動きは私の脳から離れない。

絵画や彫刻なども人の心を動かします。
しかし、音楽、そして子どもの姿は、それらに勝るようです。

今年は『あいちトリエンナーレ』もありますし、愛知のアート界はとても楽しみ。
ホラノコウスケ(@kosuke_art)でした。

展示名:アイチアートクロニクル1919-2019
場所:愛知県美術館
アクセス:東山線・名城線「栄」駅から徒歩3分(オアシス21から地下連絡通路)
住所:名古屋市東区東桜一丁目13番2号 愛知芸術文化センター10階
会期:2019年4月2日(火)〜6月23日(日)
開演時間:10:00〜18:00、金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし4/29、5/6は開館)、5月7日(火)
入場料:一般 500円、高校・大学生 300円、中学生以下無料

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ABOUTこの記事をかいた人

講師、フリーライター。愛知県在住。 トニー・ブザン公認マインドマップ®・インストラクター、Points of You®認定トレーナーとして、「頭の使い方」を楽しく体験できるワークショップを開催。名古屋を中心に、全国で大好評。 またフリーライターとして、タウンワークマガジンなどのサイトに執筆。 詳細プロフィールはこちら