1冊に100本の線を引くことよりも、100冊に1本ずつの線を見出すほうが現実的だし、実りが多い。
P.006
大人気の書評メールマガジン『ビジネスブックマラソン』編集長で、元アマゾンのカリスマバイヤーの土井英司さんの本『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』に、こうあります。
では、1冊から究極の「1行」を見つけるために、どうすれば良いのでしょうか?
今日は本書から、日本一の書評家・土井英司さんに学ぶ、「本に線を引く」ときの3つのポイントを紹介します。
1.自己陶酔線は無意味
本のどこに線を引き、自分の糧にしていくのか。本書ではそれをじっくりひも解いていくが、ここではまず「引くべきではない」箇所について言及してみたい。それは「そうだ、その通り!自分の考えは間違っていなかった!!」と感じる箇所だ。(中略)
これは単なる「自己陶酔」にすぎない。特に名言集が好きな人には、この傾向がある。
自分が「正しい」ことを確認したところで、パワーアップの糧にはならない。むしろ、新しい考えやノウハウを取り入れることのできない、かたよった人間になってしまう。P.037
線は、新しい発見や役に立った箇所、そして自分の考えと「ちがう」箇所に引くことで、成長の糧になるのだ。
P.038
私の場合、本はもちろん普段の会話のなかでも「自分と違う他者の意見・考え」を聞くと、ワクワクします。
もちろん、モヤッとしたり、イラッとすることもあるのですが、自分にない考えを知ることは、自分の世界を広げるチャンスだからです。
自分と違う意見を聞いたときは
「それは違う!」
と否定するより、
「なぜそう思うんですか?」
とついつい聞きたくなります。
相手の意見に同意するとは限りません。受け入れるとも限りません。
しかし、自分とは違う意見もあるのだと「知る」ことに、大きな意味があると思うのです。
2.「結果」より「原因」に線を引く
「○○社は20期連続増収増益をしている」という記述があったとする。大したものだ、と感心しながらその1文にすっと線を引く。(中略)
しかし、である。ここに線を引いても、あなたにとって何らプラスになることはない。これはあくまで「結果」だ。大切なことは、その会社はなぜそのように成長し続けることができるのか、という「原因」の部分である。P.124
「原因」を見抜く作業をしたからといって、それが正解である保証はないし、望んだ「結果」を得られるとは限らない。それでも、つねに「原因」を考え、仮説を立てるくせをつけておけば、やがて自分のビジネスにおいても、「結果」を導くための「原因」を発想できるようになる。
P.125
これは読書に限りませんね。
カフェAより、カフェBのほうがお客さんが多くいる。
その結果より、「なぜだろう?」と原因を考えるのが面白いのです。
私は読書するとき、「知りたいこと」の答えを探すように読みます。
その知りたいこととは、「原因」であることが多いです。
3.異分野との組み合わせを考える
読書とは他者との「ちがい」をつくりだす作業だ。自分の専門分野の知識を深めるだけではなく、一見、関連性のない分野も学び、このふたつを組み合わせる。(中略)これができると他者との「ちがい」をつくれるようになり、競争優位性を発揮できる。
P.149
マインドマップ・インストラクターとしてアイデア発想法の講師をする私がいつも意識するのは、「組み合わせる」こと。
何かと何かを組み合わせたとき、新しいアイデアが生まれたり、記憶につながるからです。
そして、その組み合わせるものが遠ければ遠いほど、面白いのです。
そういう意味で、読書するときは異分野の本・異分野の話題に興味を持ち、線を引くのが良いでしょう。
まとめ
ここまで紹介しておいて何ですが、私は本に線を引きません。
本を汚せないタイプなんです。
しかし読書メモを残します。
マインドマップでかいた読書メモは、1,000冊分を超えています。
本に線を引くのは、どこでもできて手軽です。
一方マインドマップにすると、全体を俯瞰でき、活用範囲が広がります。
この記事も、上のマインドマップを見て書きました。
それぞれ目的に応じて活用できると良いですね。
日本一の読書マインドマップ・インストラクターから、マインドマップ読書術を学びたい方は3/11の(土)の講座へ。
日本一の書評家から、自分の未来を拓く「一行」を見つける技術を教わりたい方は、本書を読んでみてください。
部屋の乱れは、心の乱れ…?
コウスケ(@kosstyle)でした。